前の5件 | -
あさのあつこ「バッテリー」 [日本の小説]
のだめバイリンガル [本いろいろ]
加納朋子「レインレイン・ボウ」 [日本の小説]
文庫の利点は,二つある。
まずは当然だが,小さくて軽くて安いこと。
だが第二に,解説がつくというのも重要だ。
おいしい料理の後は,
おいしいコーヒーで余韻を楽しみたい。
よい解説は,良質のコーヒーのようなもの。
単行本では得がたい楽しみである。
だから解説の執筆者が悪いと最悪。
料理がおいしくても,泥のようなコーヒーを最後に飲まされたのでは,
百年の恋も一瞬にしてさめようというもの。
「月曜日の水玉模様」の西澤保彦が書いた解説は酷かった。
一応作家なのだろうから(その「作品」は読む気も起こらんが),こんな酷いのを人前にさらしちゃまずかろう。
でもそれ以上に,せっかくの作品に味噌をつけられた加納さんがかわいそう。
それにひきかえ,
その姉妹編である本書の北上次郎さんの解説は,まったくもって素晴らしい。
加納朋子「月曜日の水玉模様」 [日本の小説]
好きな作家はあらかた読みつくし,
おまけにどういうわけか寡作な人ばかりなので,
数少ない新刊待ち。
新しい作家は,本屋で物色するもなかなか食指が動かず。
―そういう状態が,ここ数年続いている。
ところが2日前に,突然思い出した。
加納朋子がいたじゃん。
この人がまた寡作で,
1冊読むと次が出るまでに名前が記憶から遠ざかり,
しかもたまの新作も大々的に売りに出されるというわけではないので,
ついつい忘れていたのである。
「ななつのこ」
「魔法飛行」
「掌(て)の中の小鳥」
「ガラスの麒麟」
いずれも,
「珠玉」
という使い古された言葉が真正面からよく似合う作品だった。
そして,この「月曜日の水玉模様」
前の5件 | -