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カラヤンとフルトヴェングラー [本いろいろ]

カラヤンとフルトヴェングラー

カラヤンとフルトヴェングラー

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 新書


ベートーベンの交響曲第5番,いわゆる「運命」のCDを,十数枚持っている。
とくに違いが見える(聞こえる)のは第3楽章から第4楽章。

異彩を放つのは,カルロス・クライバー。
オケはウィーン・フィル。
管が(とくにホルンが)力強く歌うところへもってきて,テンポの推移が素晴らしい。

フルトヴェングラーもチェリビダッケもカラヤンも,
名だたる指揮者たちではあるけれど,
そういう意味では私にとって,さほど魅力的ではない。

そのフルトヴェングラーとチェリビダッケとカラヤンが,
本書の主役である。

さて。
田中長徳さんと組んで「カメラジャーナル」をつくっていた,中川右介さんの著書が本書。
クラシックに造詣が深いとは,知らなんだ。
よくまあ,これだけ調べたものだと,恐れ入る。

ただ,日本語の文章については,あまり造詣が深いとはいえないようだ。
話題があっちへとんだりこっちへとんだり。
同じことを何度も繰り返したり。
読みにくいことこの上ない。
おまけに,ワイドショー芸能記者的記述も多い。

それでも,次の言葉は記憶に値するだろう。

曰く,
芸術家のなかで,芸術的才能のみで通用する職業は,実はほとんどない。
画家も小説家も詩人も,作曲家も演奏家も,みなある程度のプロデュース能力と
マネージメントの才能がなければ,そもそもデビューすることが難しい。
そのなかで,オーケストラの指揮者ほど,芸術以外の才能が求められるものはない。
(中略)「普通の人」では務まらない職業なのだ。
―「あとがき」より

本書は,
フルトヴェングラーとチェリビダッケとカラヤンという
3人の「普通でない人」の,
プロデュース能力とマネージメントの才能についての物語である。


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コメント 6

たつる

「運命」は、カラヤンとコウヴィチュニーを聴いています。何度、聴いても
元気付けられます。
私の好きな曲は、アメイジング・グレイスです。第2のアメリカ国歌など
言われています。グーグルで検索しますと私のブログにありますので
お立ち寄り下さい。
by たつる (2007-03-08 05:03) 

「運命」5枚ですか。
クラッシックは好きです。コーラスも下手なりにも続けてます。
本は色々な面から読もうと5冊ほど同じテーマの物を読みますが
「運命」ですか。
良いですね。
by (2007-03-08 07:29) 

林艮

たつるさん,
こんちには。ようこそいらっしゃいまし(^^)

カラヤンの「運命」も,ドライヴ感があっていいですね。
コウヴィチュニーは,浅学にして存じ上げませぬ。
機会がありましたら,カルロス・クライバーとウィーン・フィルの演奏もお聞きくださいまし。絶品です(^^)
by 林艮 (2007-03-09 02:01) 

林艮

のんべいキャサリンさん。
こんにちは。ようこそいらっしゃいまし。

同じ曲も,いろんなアーティストで聴いてみると,おもしろいです。
「運命」も,意外と深いです(^^)
コーラスもいいですね。ハーモニーをつくるのは,感動ですよね。
by 林艮 (2007-03-09 02:16) 

ヴィニョーブル・ピータン

カルロス・クライバーは、主人が今度聴いてみたいと言っていた指揮者です。
なるほど、運命はなかなか聴き応えありそうですね。今度、買ってみようかな。(^-^)

指揮者のことを書いた本は、ルーベルト・シェトレ著「指揮台の神々」というのを読んだことがあって、なかなか面白かったです。(^^)
by ヴィニョーブル・ピータン (2007-03-09 13:59) 

林艮

1970年代,ウィーンフィル全盛で,カルロス・クライバーも脂ののってる時期ですから…ぜひお試しあられませ。
「指揮台の神々」ですか。探してみますね。
by 林艮 (2007-03-10 01:23) 

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