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荻原浩「押入れのちよ」 [日本の小説]

押入れのちよ

押入れのちよ

  • 作者: 荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/05/19
  • メディア: 単行本


山登りには,本が欠かせない。

行き帰りの電車,バス。夜の小屋やテント。
景色を眺めてぼうっとしていられる時間が過ぎると,
本がなければ所在ない。

持って行くのは,厚めの文庫本が最適。
薄いとすぐ読み終わって退屈。
ハードカバーを持って行ったこともあるが,
さすがにかさばって閉口した。

去年の黄金週間,涸沢へ持って行ったのが,
荻原浩「なかよし小鳩組」

そのちょっと前に「オロロ畑でつかまえて」を読んで気に入ったので持参した。
そしてこれが見事にツボにはまり,
厚さが足りなかったので帰宅途中に松本の本屋さんでもう1冊買って車中で読み,
帰宅後東京の本屋さんで買いまくり,読みまくることになる。

読みまくった結果,
最高傑作は「なかよし小鳩組」だという結論に至る。
(「オロロ畑でつかまえて」もその前に読んでおく必要あり)

なお,
いちばん話題となった「明日の記憶」は,
へそまがりゆえ,まだ読んでいない。

前置きが長くなった。
「押入れのちよ」である。

ひとことでいえば,「死」をめぐる短編集。

こわい話は苦手なので,しばらく読まずに放っておいた。
そろそろ熟成したかなと思って,おそるおそる読んでみた。

表題作の「押し入れのちよ」は,
「オロロ畑~」「なかよし~」を髣髴とさせるユーモアのきいた,
なかなかのスマッシュヒット。
ちなみに,うちの亡くなったばあさまの名前が「千代」であった。

「コール」は,途中で「え?」そして「あっ!」
なかなかやるじゃん,とニンマリ。

「しんちゃんの自転車」は,しんみり味わい深い掌編。
思わず「がってんしょうたくん!」
と言いたくなる。

「お母様のロシアのスープ」は,
こわい。
こわすぎて,片目で読んだ。

なかなかの秀作ぞろい。

でも,夜に読むのはおすすめしない(^^;


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コメント 2

phin

林艮さん、こんにちは。荻原浩さんの作品は、読みたい!とは思っているのですが、重いかな~と思って読むにいたっていません。そんなことはないのかな?
今作は短編のようなので入りにはちょうど良さそうですね。怖いのは苦手なので、「お母様の~」は、敬遠したいけど、今度読んでみようと思います。
でも、まずはデビュー作を先に読みたいかな。「オロロ畑」→「なかよし」の順が良さそうですね(^^)
by phin (2007-03-11 09:38) 

林艮

phinさん,
ようこそいらっしゃいまし。
荻原浩,基本的に重くないですよ~。
「オロロ」→「なかよし」おすすめです(^^)/
ただし人前で読むときは,笑いを抑えるのが大変かもしれません(^^
by 林艮 (2007-03-11 14:36) 

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