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佐々木譲「制服捜査」 [日本の小説]

制服捜査

制服捜査

  • 作者: 佐々木 譲
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/03/23
  • メディア: 単行本


「ハードボイルド」という言葉は,
チャンドラーが代表しているだろう。

「背が高いわね」
「僕のせいじゃない」

ん~,かっこいい♪

ただ,なぜこの台詞がかっこいいのか。

ここで「うるさい」とか「ふざけんな」とか言ったら,
全然かっこよくはない。

言いたいことを我慢したからこそ,
かっこいいのである。

これぞまさしくハードボイルド。
つまり,ハードボイルドの真骨頂は「我慢」にあり,なのである。

さて,佐々木譲の「制服捜査」

佐々木譲は,
「ベルリン飛行指令」以来,
基本的に「まじめなハードボイルド」な主人公を
作り出してきた作家である。

で,この「制服捜査」。
5作からなる連作短編集。
「このミス」2006年第2位なのだそうな。

北海道警察の「不祥事」によって
無理くりの人事異動があり,
やりての刑事が,「平和な」町の駐在にされてしまった。
しかるになぜ「平和」だったかというと,そこにはカラクリがあり…

で,主人公の川久保篤巡査部長は,
我慢に我慢を強いられることになる。
それでもその網の目をかいくぐって,
やるべきことはきっちりやっているのである。

ちょいと破天荒さには欠けるけど,
逆にそこにリアリティがあって,

耐えに耐えて,挙句一線を超える,
その覚悟がまた,

う~ん,ハードボイルド…

と思わせるのである。


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