チャンドラー×村上春樹= [海外の小説]
去年,
村上春樹の本が,本屋さんでやけに大々的に売られているなぁと思ったら,
彼のとった「フランツ・カフカ賞」が,2年連続でノーベル文学賞に直結していたかららしい。
そういえば
最後に村上春樹を読んだのは,いつだったろう。
15年前…下手をすると20年前かな。
その村上春樹が,
レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」の新訳を出したというので読んでみた。
荻原浩「押入れのちよ」 [日本の小説]
山登りには,本が欠かせない。
行き帰りの電車,バス。夜の小屋やテント。
景色を眺めてぼうっとしていられる時間が過ぎると,
本がなければ所在ない。
持って行くのは,厚めの文庫本が最適。
薄いとすぐ読み終わって退屈。
ハードカバーを持って行ったこともあるが,
さすがにかさばって閉口した。
去年の黄金週間,涸沢へ持って行ったのが,
荻原浩「なかよし小鳩組」
そのちょっと前に「オロロ畑でつかまえて」を読んで気に入ったので持参した。
そしてこれが見事にツボにはまり,
厚さが足りなかったので帰宅途中に松本の本屋さんでもう1冊買って車中で読み,
帰宅後東京の本屋さんで買いまくり,読みまくることになる。
読みまくった結果,
最高傑作は「なかよし小鳩組」だという結論に至る。
(「オロロ畑でつかまえて」もその前に読んでおく必要あり)
なお,
いちばん話題となった「明日の記憶」は,
へそまがりゆえ,まだ読んでいない。
前置きが長くなった。
「押入れのちよ」である。
カラヤンとフルトヴェングラー [本いろいろ]
野沢尚「烈火の月」 [日本の小説]
野沢作品は,
「破線のマリス」に始まり,
「リミット」「深紅」「砦なき者」「魔笛」と,
破滅へ向かって突っ走る犯罪者が作者に乗り移ったかのようなリアリティに圧倒され,
引きずり込まれるように呼んだ記憶がある。
気がつけばすでに4年が経とうとしているが,
2003年の6月に作者が自ら死を選んで以来,
読むと悲しくなる気がして,
野沢作品は読んでいなかった。
先日,この「烈火の月」を,本屋でたまたま見かけて手に取った。
何やら複雑な来歴があるらしく,
また山田太一が解説で,「烈火の月」は傑作である,と言い切っている。
それならば読んでみようか,という気になった。